2019/03/27
子どもの情操教育について、「ネットや雑誌などでよく聞くけれど、具体的にどんな教育なのか、いまいちわからない」というパパやママは意外と多いのではないでしょうか?
情操教育とは、「自分で考える力」や「感じ方」などを形成するために必要な「心」や「人間力」を育てる教育のこと。感受性が豊かな子どものうちに行うことが大切だと言われています。
子どもにさまざまな体験をさせて知的好奇心を育てることは、情操教育でよく取り入れられる方法。体験から感じ、知っていくことは、子ども自身が自分の考えで行動できるようになるためにも非常に大切なことなのです。
さらに情操教育には、創造性や個性を伸ばし、価値観や道徳心を育てるという目的も。心が育っていくことで、互いに助け合うことの大切さも知ることができるのです。
兄弟が少なくなり、個人主義になっている現代の子どもにこそ、大切な教育だと言えますね。
情操教育で、主に大切とされている基本の方針は大きく4つに分けることができます。
<科学的情操教育>
自分の置かれている状況や事象を観察して、知的に判断する能力つけることを言います。
子どものなんで?は、知的好奇心の現れです。
<道徳的情操教育>
善悪の判断をしっかりとつけられる道徳心を養い、人として「善行」を行えるように教えます。
人を思いやる心を持つ、協調性を育てます。
<情緒的情操教育>
命を大切にする「情緒」を育てます。ご先祖さまの大切さや、命の尊さを知ることで、人や動物の命の重さを知ることができます。
<美的情操教育>
美しいものを見てキレイだと思える心を育てます。絵を見たり音楽を聴いたりしたときに
「美しい」「キレイ」だと感動できる心を養います。
情操教育は、いったいいつから始めればよいのでしょうか?
私たちのよく知る「三つ子の魂百まで」ということわざが示すように、3歳までに影響を受けたことは人格形成にも大きく関連すると考えられています。
しかし、3歳までに始めなければ遅いということではなく、幼児期から幼少期であればいつ始めてもよいとも言われています。小さな子どもは、日々成長してスポンジのように外部の情報を吸収しています。肌で触れたものや目で見たもの、耳で聞いたものがその子どもにとって大切な理由は、
言わずもがなわかりますよね。
カラダを動かすことで、心身ともに健やかに安定させることが出来ます。また、ほかの子どもがいる場所や団体競技をすることで、相手の気持ちを理解したり思いやりをもったりする気持ちが養われます。
季節の移り変わりや自然の摂理を知ることは情操教育にとって大変有効です。自然の生物に触れ合うことで、その生き物に関する知的好奇心も刺激されます。自然の中で遊ぶこと自体が情操教育となるのです。
生き物を一緒に暮らすと、話すことのできない生き物への接し方を考えることができるようになります。そして優しい感情や情緒が生まれます。死を経験することにもなり、より深く命の大切さを理解できるようになります。
テレビやインターネットでは見ることが出来ない本物に触れることによって、想像力や表現力を養うことができます。また、美術的な背景や文化について興味や好奇心を持ち、音楽でカラダを動かすことでリズム感も養われます。
季節の行事に参加させることは、文化的な意味や歴史を知ることにもなります。また、お墓参りに行くことは、命に関して考える良い機会にもなります。家族で一つの行事をすること自体が情操教育には有効なことだと言えます。
子どもが「なんで?」「どうして?」と聞いてくることに関しては、面倒くさがらずにできるだけ答えてあげてください。また子どもが自分の主張をしているということは、考える力がついてきた証拠。ほめてあげましょう。
楽器を演奏したり、歌を歌うことは、目に見えない情緒や表現力を養うために有効です。
また、楽器を習うことで、できないことをできるようにしていく達成感を学ぶこともできます。
自由な発想で表現ができるお絵描きや粘土は、自分がそのものを通じて相手にどう伝えたいかを表現する力が養われます。モノを生み出す想像力・創造力は心の成長にもつながり、表現豊かな情緒を育てます。
他の子どもと接することは、協調性や人の心を想像する思いやりの心を育てます。また、自分以外の子どもができることを見ることで、目標を持ち、そこに向かってやり抜く力や達成する喜びを知ることができます。
本の読み聞かせは子どもの想像力を高めます。また、子どもが知らない世界や言葉を知ることは情緒を育てるには大切なことです。読んであげるときに、気持ちを込めて読み聞かせをすることで子どもの感受性に語り掛けます。