学資保険の代わりは?教育資金を準備する3つの方法を解説!

公開日 : 2024.01.31
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「子どもの教育資金を準備する方法とは」と聞かれてどういったアプローチをイメージしますか?

まず頭に浮かべるのは児童手当や学資保険でしょう。

児童手当はコツコツ貯蓄できればよいですが、ほかの目的で使ってしまうことも考えられます。

学資保険は、一般的に親を契約者とする貯蓄型の保険です。

親に万一のことがあった場合、保険料免除などのメリットがありますが、途中で解約すると元本割れを起こすこともあります。

そこで今回は、学資保険の代わりになる教育資金を準備する方法について見ていきましょう。

実際にどのくらいの教育資金を準備する必要があるのか、公立と私立の差についてもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

教育資金はいくら準備しておくべきなの?

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家計に占める教育資金の割合は家庭によって違うものです。

教育に対する考え方の違いでも必要な教育資金は変わるでしょう。

必要な教育資金をイメージするときに、まず「どういった教育をしていきたいと考えているのか」を家族で話し合ってみてください。

たとえば大学卒業まで国公立の学校に進学させる、私立の中高一貫校を経て大学へ進学させるなどです。

なかには「留学させたい」や「スポーツに力を入れたい」と考える家庭もあるかもしれません。

具体的なイメージができれば、目標金額に向けてどのくらい貯蓄していけばよいのか考えやすくなります。

とは言っても「実際に教育資金はいくらかかるのだろう」と気になっている方もいらっしゃるはずです。

まずは、児童手当は総額いくら受取れるのか、子どもが幼稚園から大学卒業までにかかる費用についてみていきましょう。

児童手当だけでOK?

子どもが生まれたら、毎年6月・10月・2月に前月分までの児童手当をまとめて受取れます。

2024年1月の状況では、以下の金額です。

・3歳未満:1万5,000円
・3歳以上小学生修了前:1万円(第3子以降は1万5,000円)
・中学生:1万円

子どもの人数にもよりますが児童手当をすべて受取ったとすると、約200万円となります。

2024年10月以降は児童手当が拡充される予定です。変更案は以下に記載します。

・3歳未満:1万5,000円
・3歳以上小学生修了前:1万円
・中学生:1万円
・高校生:1万円

変更案では、高校生まで児童手当が支給されるうえに、所得制限はありません。

また第3子以降はいずれの期間も3万円支給されます。

第3子以降であれば本来の規定よりも3倍ほど多く受取れるため、児童手当の恩恵を少なからず受けられそうです。

しかし、第一子の場合を変更案で計算すると約230万円です。

この200万円や230万円があれば学資保険は不要でしょうか?実はそうとは言い切れません。

どういった理由があるのか次で詳しく見ていきましょう。

子どもの学習費調査から見る平均額

ここからは、2022年12月に公表された文部科学省「令和3年度子どもの学習費調査」をもとに紹介していきます。

学習費調査では、1年間における幼稚園から高校までの学校および学校外活動でかかった費用を確認することが可能です。

<幼稚園>
公立 16万5,126円
私立 30万8,909円
<小学校>
公立 35万2,566円
私立 166万6,949円
<中学校>
公立 53万8,799円
私立 143万6,353円
<高校>
公立 51万2,971円
私立 105万4,444円

ちなみに、幼稚園から高校までの公立・私立に通う子どもの割合は以下のとおりです。

幼稚園 公立12.8%、私立87.2%
小学校 公立98.7%、私立1.3%
中学校 公立92.3%、私立7.7%
高校 公立65.6%、私立34.4%

幼稚園については私立の割合が多いですが、そのほかでは公立に通う割合が多くなっています。

では、3歳から18歳までの15年間にかかる教育費についても見ていきましょう。

すべて公立で進学した場合の総額は約574万円、すべて私立で進学した場合は約1,838万円です。

公立と私立の差はなんと1,264万円にもなります。

先ほど紹介した児童手当を全額貯蓄しても約200~230万円です。

幼稚園から高校まで公立に進学したとしても400万円弱不足します。

なかには幼稚園は私立、小・中は公立、高校は私立というケースもあります。

教育資金を準備する場合には、さまざまなケースを想定して用意しておかなければ、必要なときに必要なお金を捻出できないということも考えられるでしょう。

大学にかかる費用は?

文部科学省が2023年12月に公表した「令和5年度学校基本調査」によると、高校卒業後の進路については大学や短期大学、専門学校、高等専門学校への進学率が84%でした。

このうち大学への進学率は57.7%で過去最高です。

高校卒業後に約8割が進学し、2人に1人が大学に在籍するのであれば、大学進学に向けた教育資金の準備も必要といえるでしょう。

ここでは、文部科学省が公表している「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに大学でかかる費用について紹介します。

国立大学 53万5,800円(入学料28万2,000円)
公立大学 53万6,191円(入学料37万4,371円)
私立大学 95万9,205円(入学料24万0,806円)

4年間通ったとすると以下のとおりです。

国立大学 242万5,200円
公立大学 251万9,135円
私立大学 407万7,626円

結果、幼稚園から大学まで国公立に通った場合は約825万円、すべて私立の場合は約2,245万円必要です。

大学進学に向けて学資保険を活用する方が一般的に多いかもしれません。

しかし実際には幼稚園や小学校、中学校、高校での進学でも一定の教育資金が必要になります。

つまり、効率的に教育資金を準備するためには、学資保険の代わりにほかの方法を検討した方がよいケースもあるかもしれないということです。

次からは、学資保険の代わりになる3つの生命保険について紹介します。

学資保険の代わりになる3つの生命保険

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学資保険とは冒頭でも紹介したとおり、教育資金確保を目的とした保険のことです。

学資保険では満期時の受取り金額が確定しているため、計画的に教育資金の準備ができます。

また契約者に万一のことがあった場合、その後の保険料は免除されるため、貯蓄と保障を兼ね備えていることから長年活用されているのです。

しかし最近は、前述したように公立か私立のどちらを選択するかによって教育にかかる費用が大幅に変化します。

中学受験の可能性が出てきた場合には塾費用が必要になることもあります。

こういった場合には「学資保険ではお金の準備が間に合わない」ということもあるのです。

そこでここからは、学資保険の代わりになる3つの保険について紹介します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険とは、解約返戻金が一般的な終身保険よりも低い代わりに保険料を抑えている保険のことです。

保険料払込期間を過ぎれば解約返戻率が上昇します。

そのため、子どもの進学時期にあわせて保険料払込期間を設定すれば教育資金に活用できるというわけです。

親を被保険者にしておけば、親に何かあった場合に受取る死亡保険金を教育資金に利用したり、一部解約して死亡保障を残したりする使い方もできます。

低解約返戻金型終身保険を学資保険の代わりとして活用する場合には、保険料払込期間を10年や15年に設定することができます。

終身保険のため、もし教育資金として使わない場合は、そのまま契約を継続することで自身の老後資金に活用することも可能です。

<メリット・デメリットまとめ>
メリット デメリット
  • 一般的な終身保険よりも保険料を抑えられる
  • 死亡保障あり
  • 教育資金以外にも利用できる
  • お祝金や満期保険金がない
  • 保険料払込期間中の解約では元本割れする場合がある
  • 物価上昇に対応しづらい

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険とは、払込んだ保険料を外国の通貨で運用する終身保険のことです。

日本円よりも金利の高い外貨で運用するため、効率的な資産運用が期待できます。

また円以外に外貨を資産として持つことで、リスク分散にもつながるでしょう。

外貨建て終身保険を学資保険の代わりに活用する場合は、低解約返戻金型終身保険と同じように解約返戻金を利用します。

ただし外貨建て終身保険では外国の通貨がかかわっているため、為替の状況によっては、解約返戻金や死亡保険金が払込保険料の総額を下回ってしまうこともあります。

一方で、円安になることで想定よりも解約返戻金を多く受取れることもあるでしょう。

外貨建て終身保険もほかの終身保険と同様に、教育資金として使わない場合などは老後資金として使うこともできます。

<メリット・デメリットまとめ>
メリット デメリット
  • 外国の金利で運用できる
  • 為替差益を狙える
  • 資産のリスク分散ができる
  • 教育資金以外にも利用できる
  • 為替差損で元本割れする可能性がある
  • 通貨交換の際に手数料などの費用がかかる

変額保険

変額保険とは、運用の成果によって保険金や解約返戻金が変わる生命保険のことです。

運用は特別勘定で行われ、株式や債券、投資信託などを用います。

投資リスクや商品性についてきちんと理解する必要があるでしょう。

変額保険は保険商品のため、万一の際の死亡保険金が基本保険金額を下回ることはありません。

ただし、解約返戻金や満期保険金は運用の結果によって払込保険料を下回ることがあるので注意が必要です。

一方で、運用状況がよければ想定以上の解約返戻金を受取ることが可能です。

変額保険を学資保険の代わりとして活用する場合は、解約返戻金や満期保険金を使います。

<メリット・デメリットまとめ>
メリット デメリット
  • 運用状況によっては資産を膨らませることが可能
  • 死亡保障あり
  • 物価上昇の対策につながる
  • 投資リスクや商品性について理解する必要がある
  • 運用状況によっては元本割れする可能性がある

(まとめ)教育資金を生命保険で備えることも可能!

「教育資金=学資保険」と思っていませんか?

これからの時代は、学資保険以外の生命保険も教育資金確保の手段として使うことができます。

もちろん学資保険とそのほかの生命保険を組み合わせてもよいですし、そのほかの生命保険だけで備えることも可能です。

しかし、教育資金は必要なときに必要な金額を動かせなければ意味がありません。

そのためには、家計の状況やライフスタイルなどを総合的に判断しながら、学資保険や生命保険を選ぶ必要があります。

教育資金準備に関してお悩みの方は、お気軽に保険相談をされてはいかがでしょうか。

※ 保険に関する留意点(必ずご確認ください)
・生命保険商品について
ご加入を検討される際には、生命保険募集人資格を保有する当社の生命保険募集人に、また、変額個人年金保険のご加入を検討される際には、変額保険販売資格を保有する当社の生命保険募集人にご相談ください。
生命保険のご加入の検討にあたっては、「商品パンフレット」、ご契約に際しての重要事項を記載した「ご契約のしおり・約款」、「契約締結前交付書面(「契約概要」、「注意喚起情報」)」等の内容をよくご覧ください。
生命保険は預金ではありませんので、元本保証はありません。また預金保険制度の対象になりません。
生命保険は当社を募集代理店とする引受保険会社の商品であり、契約の主体はお客さまと保険会社になります。
引受保険会社が破綻した場合には、生命保険契約者保護機構により保護の措置が図られますが、ご契約時の保険金額、年金額、給付金額等が削減されることがあります。
当社がお客さまにご案内する生命保険について、お客さまのお申込みの有無が、当社とお客さまとの他のお取引に影響をおよぼすことは一切ございません。
当社では、お借入金による生命保険へのお申込みは受付けておりません。
保険業法の規制により、お客さまのお勤め先によっては当社で生命保険をお申込みいただけない場合があります。