がん保険は本当に必要?がんになる前に知っておきたい3つのこと

公開日 : 2024.01.31
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たくさんの保険の中で必要性に悩む人が多いのが、がん保険です。

がんは日本人の三大死因の1つでもあり、年齢を重ねるほどがんになる可能性は高まる傾向にあるというデータもあります。

しかし、すべての人ががんになるわけではなく、当然保険料を払っても給付金を受取る機会がないままの人もいます。

加えて、健康保険制度の高額療養費により一定額以上の自己負担にはならないため、がん保険は不要と考える人もいるでしょう。

その一方でがん保険が必要という意見もあります。

そこで今回は、がんになる前に知っておきたいことをまとめてチェックしていきましょう。

がんになる前に知っておきたいこと①:がんの治療費

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気になるのはがんになったときにかかる治療費です。

がんになる部位や発見されたときのステージによっても必要な治療はさまざまのため一概にはいえませんが、目安の費用として確認していきましょう。

がんの治療は保険診療の対象!

がんの治療も基本的には保険診療の対象です。

日本の公的医療制度における自己負担額は、かかった医療費の1~3割。

全日本病院協会が公表している2022年「医療費 重症度別 急性期グループ【年間】」の資料によると、がんの治療における1入院の費用は、以下のとおりです。

1入院費用/1日あたり 3割負担
胃がん 99万6,965円/7万6,901円 29万9,089円
結腸がん 97万8,567円/8万4,672円 29万3,570円
直腸がん 115万0,026円/8万8,925円 34万5,007円
気管支および肺がん 91万3,065円/10万4,558円 27万3,919円

3割負担の場合、がん治療による入院は30万円前後になるケースが多いようです。

がん治療にかかる以下の項目は、保険診療の対象になります。

<保険診療が適用される項目>
  • 検査
  • 診察
  • 手術
  • 治療
  • 入院基本料

医療費には全国共通の基準が設けられており、合計して医療費として請求されます。

また、以下のような保険診療が適用されない治療を受けた場合は全額自己負担です。

<保険診療が適用されない項目>
  • セカンドオピニオン外来受診
  • 保険適用されていない薬や処置
  • 先進医療
  • 代替療法や民間療法
  • サプリメント

先進医療を受ける可能性があるのも、がん治療が高額になる原因の1つです。

その名のとおり先進的な医療技術と厚生労働大臣に認められた治療方法ですが、まだ保険診療には含まれない技術のため保険診療の適用外です。

先進医療にかかわる検査や入院は保険診療ですが、先進医療の費用は全額自己負担となります。

治療方法により費用には大きな差があり、なかには数百万円かかるような高額な治療もあります。

医療費以外にかかるお金にも注目して

加えて、医療費以外にもかかる費用があります。

たとえば通院のための費用や入院時にかかる差額ベッド代、食事代などです。

付き添いや面会にかかる諸費用もあるでしょう。

子育てや介護をしている家庭の場合、乳幼児の預かり費用やショートステイ費用などがかかることもあるかもしれません。

がん治療の出費をサポートする高額療養費制度

治療方法や期間によっては医療費が高額になりますが、負担を減らすための制度も用意されています。

がん治療でかかる負担を軽減する代表的な制度が、高額療養費制度です。

1ヶ月当たりの医療費が上限を超えると、超えた分を払戻してくれます。

上限は所得や年齢により異なりますが、年収370~770万円の世帯なら自己負担額の上限は8万円ほど。

最大でも年間96万円以上はかからない計算です。

なお、高額療養費制度で対象となるのは、保険診療のみとなります。

保険診療の対象外の治療方法は高額療養費制度の対象にはなりません。

がんになる前に知っておきたいこと②:がん保険の特徴

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がんの治療にかかるお金を給付金によりカバーするのが、がん保険の役目です。

一般的な医療保険と比べて、がんに対応しやすくなっているのが特徴です。

がん保険の特徴について理解していきましょう。

がん保険でもらえる給付金の種類

加入するがん保険によっても異なりますが、がん保険でもらえる代表的な給付金は以下の4つです。

  • がん診断一時金:がんと診断されたときにもらえる
  • がん入院給付金:がんの治療で入院したときにもらえる
  • がん手術給付金:がんの治療で手術したときにもらえる
  • がん通院給付金:がんの治療で通院したときにもらえる

上記をメインに必要に応じた特約をつけて、状況にマッチした保障内容を決めていきます。

がん保険の魅力は治療に専念できる保障の手厚さにあり!

がん保険の特徴は、がんの診断が下りたときやがん治療時の保障の手厚さです。

医療保険の場合、入院1回の給付金の支給限度日数が定められた商品が多いですが、がん保険の場合日数に制限がない商品もあります。

高額になる先進医療や化学療法、放射線治療といった保険診療適用外の治療に特化した特約もたくさんあります。

通院しながらの放射線治療や抗がん剤治療など、最近行われる治療に対応した商品も多くあります。

がんの診断が出ると診断一時金としてまとまったお金が給付されるのも、がん保険ならではです。

上記の見出しのとおり、がんの治療にはさまざまなお金がかかります。

診断一時金の用途は決まっていないため、治療費や入院準備、生活費などに使えるのは助かるでしょう。

以前に比べると最近はがんの手術で入院する日数は短くなっていますが、通院治療に時間がかかるケースが多いよう。

高額療養費制度を利用した場合でも、治療が長引くほど出費もかさみます。

その治療費を保障してくれるがん保険があれば、出費をカバーでき安心です。

がんになる前に知っておきたいこと③:がん保険に加入する必要性

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がん保険に加入する必要性についても、確認しておきましょう。

がん保険の目的は費用面の心配を最小限にすること

がんは誰にでも発症の可能性がある疾患です。

「生活費や教育費と出費が多く医療費に多くを回せない」「体の衰えを感じ始めた」といった場合、がん保険に加入しておくことで安心材料の1つになるでしょう。

がんの治療費は高度な医療技術を必要とするケースも多く、医療費が高額になる傾向にあります。

公的な制度だけではカバーしきれない可能性もあります。

経済的な負担をできるだけ抑えられるようにがん保険に加入しておくのもよいでしょう。

また、がん治療のために仕事を長期間休んだり退職したりする可能性も十分にあります。

そんなときにがん保険に加入しておくと、収入の補填として役立つケースもあります。

がんにかかったときの費用面での心配をなくすこと、これががん保険に加入する大きな目的です。

年代別がん保険の考え方と選び方

30代前後の若い世代はがんにかかるリスクは低めですが、万が一がんになると進行が早い可能性もあります。

貯金が十分でないなら、万が一のときのために加入するのもよいかもしれません。

年齢が若いと保険料も比較的安い傾向にあります。

40~50代の働き盛りは、教育費や生活費、住宅ローンがかさみやすい時期でもあります。

診断一時金や治療給付金の保障期間が十分な保険内容なら、かさむ出費にも対応しやすいでしょう。

世帯主の場合、収入をサポートしてくれる商品を検討するのもよいかもしれません。

がんになる前に知っておきたいこと④:がん保険に加入すべき人は?

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がん保険の必要性は、個々により異なります。

以下に当てはまるなら、必要性が高いといえるでしょう。

  • 喫煙しているなど生活習慣の乱れが気になる人
  • がん治療時にかかるお金が不安な人
  • がんになったときの治療の選択肢を増やしたい人

それぞれ詳しく確認していきましょう。

喫煙しているなど生活習慣の乱れが気になる人

がんの発症にはさまざまな要因が絡んでおり一概にはいえませんが、喫煙している人や生活習慣が乱れている人はがんになるリスクが高いといわれています。

国立研究開発法人国立がん研究センターの公式ホームページによると、日本人のがん予防方法として禁煙、運動、節酒、食生活の見直し、適正体重の維持が有効だそうです。

特に喫煙は、肺がんをはじめさまざまながんの原因の1つです。

食事の栄養バランスに自信がない、太っている、飲酒量が多いなどといった生活習慣の乱れが気になるなら、がん保険に加入しておくのもよいかもしれません。

がん治療時にかかるお金が不安な人

がんの治療中は一定期間仕事を休まなくてはならなくなったり、退職を余儀なくされたりするケースもあります。

会社員や公務員の場合、健康保険に傷病手当金という制度があり、最長1年6ヶ月の間給与の2/3ほどが支給されるため、一定期間の収入は確保できるでしょう。

しかし、自営業者や個人事業主の場合、加入する国民健康保険には傷病手当のような制度はありません。

公的保障はあるものの、それだけでは生活に困る可能性もあります。

仕事を休むと収入に直結する自営業者や個人事業主は、がん保険の必要性が高いでしょう。

また、会社員や公務員であっても、住宅ローンの返済があるなど働けない間の収入に不安があるなら、がん保険に加入しておくと安心かもしれません。

がんになったときに治療の選択肢を増やしたい人

がんになったときに治療の選択肢を増やしたいなら、がん保険に加入しておくのがよいでしょう。

がん治療には健康保険が適用されるため、基本的に自己負担は1~3割のみです。

しかし、公的医療保険の対象になっていない先進医療の技術料は、全額自己負担となります。

治療方法により費用には大きな差があり、なかには数百万円かかるような高額な治療もあります。

がん先進医療給付金のあるがん保険に加入していれば、費用面を二の次にして治療方法を選択できるでしょう。

(まとめ)がん保険が必要かどうかは人それぞれ!悩んだら専門家へ相談を

医学の進歩に伴い、がんは治る病気になりました。

しかし、一度かかると再発の不安がつきまとい、経済的な不安が解消されにくいという側面もあります。

がん保険が必要かどうかは、状況や考え方により異なります。

今回ご紹介した内容をもとに、自分の状況をかんがみながら必要かどうか判断してみるとよいでしょう。

がん保険は一度加入すると長い付き合いになります。自分で判断できない場合は、専門家に相談してみるのも1つの方法です。

加入するか否かという相談以外にも必要な保障内容を相談するのもよいでしょう。

相談は無料なので、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。